美味しい熊肉をいただきましょう!
「熊肉は臭い」「固くて食べづらい」──
そんなイメージを静かにくつがえす一皿が、西麻布にはあります。
捕獲直後の徹底した血抜きと、ジビエ専門の処理施設、そして繊細な火入れ。
ステーキでも、せいろ蒸しでも、本当に本当に美味しい熊肉を、ワインとともにお楽しみください。

熊肉って、こんなに美味しい。──西麻布で味わうツキノワグマ
西麻布ワールドネイチャーファームでは、ツキノワグマを中心としたジビエを、コースの一皿としてご用意しています。
しっかりと旨味の詰まった赤身と、透明感のある甘い脂。
丁寧に火を入れた熊肉は、噛みしめるほどに奥行きのある味わいが広がり、
「ワイルド」ではなく、むしろ上質なテロワールのある肉として楽しんでいただけます。
重めの赤ワインはもちろん、樽香のある白ワインとも相性が良く、
「こんなにエレガントな熊肉は初めて」という声も多い一皿です。

世間のイメージと、本当に美味しい熊肉の違い
インターネットを検索すると、熊肉について
「臭い」「固い」「怖い」といった声も目に入ります。
一方で、「匂いもクセもなくとても美味しかった」「脂が甘くて驚いた」という感想もあります。
この差を生むのは、捕獲直後の血抜き・処理・火入れの精度です。
血の抜け方が不十分だったり、解体・冷却の管理が甘かったりすると、どうしても匂いが立ちやすくなります。
逆に、きちんと処理された熊肉は、びっくりするほど雑味が少なく、澄んだ旨味と上品な香りを持っています。
西麻布ワールドネイチャーファームでは、この「正しく処理された熊肉」だけを仕入れ、
ジビエ専門店としての火入れ技術で、最高の状態に仕上げています。
当店のジビエと流通ルート・営業許可について
ジビエは、「どこで・どう処理された肉か」がとても重要です。
日本では、熊肉を含む野生鳥獣肉について、次のようなルールがあります。
- 猟師が自分や家族のために食べる「自家消費」はOK
- しかし、猟師が自分で解体した肉を、そのままレストランに出すことは認められていません。
- 飲食店で提供する場合は、保健所が営業許可を出した「ジビエ処理加工施設・食肉処理業の施設」で処理された肉だけを使う必要があります。
西麻布ワールドネイチャーファームで扱う熊肉・猪肉・鹿肉などのジビエは、すべて、この条件を満たしたジビエ処理加工施設で処理されたものだけです。
猟師からレストランへの「直送肉」は、一切使用していません。
当店は直接お付き合いのある猟師さんとも連絡を密にとり、山の状況や個体の情報を共有していますが、その場合であっても、必ず保健所の営業許可を受けたジビエ処理加工施設を通して仕入れております。
さらに当店は、
- 飲食店営業許可 のみならず
- 食肉販売業の営業許可
も保健所から取得しています。
これは、真空パックされた肉や加工前の精肉を商品として扱うための許可であり、
処理施設とレストランの間をきちんとつなぐために必要な区分です。
こうした正規のルートと許可に基づいて、「違法ジビエ」にあたる肉は扱わず、
いつ・どこで・誰が処理した肉かが追えるトレーサビリティを重視して、
安心してお召し上がりいただけるジビエだけを使っています。
代表的な熊肉料理
ツキノワグマとオーガニック野菜のせいろ蒸し
熊肉というと「熊鍋」のイメージが強いかもしれませんが、
当店がまずおすすめしたいのが、ツキノワグマとオーガニック野菜のせいろ蒸しです。
脂の乗ったツキノワグマの肩やモモを適度な厚みに切り、
季節のオーガニック野菜とともにせいろに並べ、蒸気でふんわりと火を入れます。
強火でグツグツ煮込むのではなく、蒸すことで、熊肉は驚くほど柔らかく、脂は軽やかに。
野菜の甘さと合わさり、「熊肉って、こんなに上品なんだ」と感じていただける一皿です。
ツキノワグマとオーガニック野菜のせいろ蒸し
背ロースのグリル/ステーキ
ツキノワグマの背ロースは、ステーキでも真価を発揮する部位です。
低温でじっくりと温度を上げた後、表面だけを香ばしく焼き上げることで、
中心はしっとりとしたロゼ色に。噛むほどに赤身の旨味と、きれいな脂の甘さが広がります。
ソースで味をごまかす必要はありません。
塩と胡椒、少しのソースと季節の野菜だけで、
高級フレンチにも負けない一皿として成立します。

煮込みやカレーなど、仕入れ状況に応じた一皿
仕入れ状況に応じて、熊の部位ごとに表情の違う料理もご用意しています。
試作の熊の手の煮込みです。
ツキノワグマ 熊の手の煮込み(試作)
※「熊の手の煮込み」や「熊カレー」など、一部のメニューはイベント開催時・仕入れ状況に応じてのご提供となります。
熊鍋ももちろん、その先にある楽しみ方
味噌仕立ての熊鍋は、体の芯から温めてくれる冬の名物料理です。
当店でも、寒い季節には熊鍋やジビエ鍋をご用意し、熊の脂と出汁の旨味を楽しんでいただいています。
一方で、熊肉の魅力は鍋だけにとどまりません。
せいろ蒸しやグリル、低温ローストなど、火入れや構成を変えることで、
熊肉は「重くてワイルドな料理」から、
ワインとじっくり向き合えるエレガントなメインディッシュへと姿を変えます。
西麻布ワールドネイチャーファームでは、熊鍋はもちろん、
その先にある楽しみ方までご提案していきます。
山と街、人と野生をつなぐ一皿として
近年、ツキノワグマをはじめとする野生鳥獣による農作物被害や人身被害は、各地で大きな問題となっています。
捕獲頭数の管理と、捕獲した個体の有効活用は、里山の課題とも深く結びついています。
捕獲された個体の多くは、かつては焼却処分などに回され、その費用が自治体や猟師の負担になっていました。
近年は、こうした個体をジビエとして活用することで、これまで利用されてこなかった資源が、山村地域の収入源や雇用につながると考えられています。
多くのジビエ処理施設では、血抜きなど一定の条件を満たした個体について、ハンターから買い取る仕組みを整えており、ガソリン代や弾代など狩猟にかかるコストの一部を補う役割も担っています。
西麻布ワールドネイチャーファームでお出ししている熊肉料理も、こうした正規のジビエ処理加工施設を通じて仕入れたジビエです。
お客様が一皿を選んでくださることで、その対価の一部は処理施設や猟師さんのもとに戻り、
鳥獣被害対策と山村の生業を支える小さな循環の一端を担うことになります。
西麻布ワールドネイチャーファームの熊肉料理は、そうした山の現場と都市の食卓をつなぐ一皿でありたいと考えています。
よくあるご質問
Q1. 本当に臭くないのですか? 熊肉の匂いの多くは、血抜きや処理の精度によって決まります。
A 当店では、ジビエ処理加工施設で適切に血抜き・冷却された肉だけを仕入れ、
余分な脂や筋を取り除いたうえで火入れしています。
そのため、「想像していたような獣臭さは感じない」というお声を多くいただいています。
Q2. 固くて噛み切れないイメージがあります。
A 年齢の高い個体や、強火で長時間加熱しすぎた熊肉は確かに固くなります。
当店では、部位ごとに火入れの温度と時間を変え、背ロースはしっとり、肩やモモは繊維がほどけるように調理しています。
「思っていたよりずっと柔らかい」という反応がほとんどです。
Q3. 安全面は大丈夫でしょうか?
A 生や加熱不十分な野生鳥獣肉は、寄生虫やウイルスのリスクが指摘されており、行政も「生食・レア提供はしないこと」と注意喚起しています。
当店では、
- 保健所の許可を受けたジビエ処理加工施設・食肉処理業の施設で処理された肉のみを使用
- 厚生労働省などのガイドラインに沿った十分な加熱
- 器具やまな板の分別・洗浄・消毒
を徹底したうえで、お出ししています。
生や明らかにレアな状態での提供は行っておりません。
Q4. かわいそうで、食べてはいけない気もしてしまいます。
A その感覚も、とても自然なものだと思います。
私たちは、珍しさだけを求めて熊肉を扱っているわけではありません。
農作物や人の暮らしを守るために、どうしても捕獲せざるを得ない熊の命があります。
当店では、そうした命を正規のジビエ処理加工施設を通じて受け取り、衛生管理の整った環境で料理として丁寧に活かしています。
処理施設を経由して流通することで、猟師さんや山側には正当な対価が戻ります。
お客様が熊肉料理をお選びになることは、山の現場の努力に敬意を払いながら、その循環を静かに支えることにもつながります。
「かわいそうだ」と感じる気持ちを持ったままでも構いません。
そのうえで一皿を選んでいただけたなら、それは山と街の両方を大切にする、ひとつの選択だと私たちは考えています。
ご予約のご案内
熊肉料理は、その日の入荷状況によりご用意できる内容が変わります。
熊肉をご希望の方は、ご予約時に「熊肉希望」と一言お書き添えください。


